パキラの声
調子が悪そうだなぁと思っているうちに、パキラが次々に葉を落として、幹だけになってしまったのが1ケ月ほど前。あぁ、枯らしてしまった、またもや自己嫌悪。でも、すぐに捨て去ることができずに、幹だけになった状態に水やりだけは欠かさずにこの1ケ月を過ごした。
そしたら・・・!
今朝、根元のほうに一箇所、幹の上部にもう一箇所、新芽が出ているのを発見! 今日は朝からうれしくてたまらない。
パキラは今、我が家に2株ある。そのひとつが今回復活を見せてくれたパキラ。初めてのひとり暮らしの部屋に、初めてやってきた緑だった。15cmにも満たない小さな苗は、直径が5cmほどの小さな植木鉢に植えられて、下北沢の雑貨屋さんの店先に並んでいた。テレビの上にちょこんと載るほど小さかったのに、10年の間にいつのまにか1.5m近くに育ち、我が家でも古株の観葉植物として大事な存在になっていた。
もうひとつは、会社で枯れそうになっていたパキラを、数年前に『入院』と称して引き取ったもの。2年ほどでようやく、葉をたくさんつけたバランスよい株に戻った。
2つのパキラは、茎の伸び方や葉のつき方の癖が異なり、並べると好対照でおもしろかった。おそろいの鉢に植えて、いつも並べて置いていたから、片方だけになるとさびしい。植物って、いなくなるとその存在感がより際立つ。さびしく幹だけになっていたパキラもそうだった。
植物とともに暮らしていていつも思うのは、『観察すること』の大切さ。ものを言わない植物たちは、自分の体調を葉っぱの色や茎のしなり方などで精一杯にこちらに語りかけている。それをちゃんと見て植物たちの体調を把握してあげることが、まずなによりも大切。不調のサインに気づいてあげることが、私にとって植物を育てることの第一歩だった。
不調のサインに気づきながらも、ちゃんとした処置をしてあげられないうちに、ついには葉を失ってしまったパキラが、まだまだがんばるよ!と新芽をつけてくれた。パキラの生命力に、感謝の気持ちでいっぱい。みずみずしい小さな小さな緑。まだまだ小さな新芽を大切に見守りながら、元の雄姿に戻してあげよう。
Recent Comments