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18 December 2005

台湾の味 3 『お茶の味』

台湾の味の3つめは、遅ればせながら知った、すばらしき台湾茶の味。

DSCF0494今まで、中国茶に関してなんて無関心だったのだろう。

紅茶は好きで、複数の銘柄の複数の種類の缶を並べている。日本茶も緑茶、ほうじ茶、玄米茶(大したこだわりを持たず)と一応は常備している。おなかが痛いときに飲むハーブティもある。家人がコーヒー好きなので、豆も何種類かある。しかし、ジャスミン茶に茉莉白龍珠を選ぶ程度で、中国茶については特に意識したこともなかった。

今回、台湾式工夫茶の魅力とおいしさに触れることができ、開眼されて帰ってきた。そう、すっかりはまってしまった。いろんな本やサイトを見ていると、茶藝館ブームというのが何年か前にあったのだそうな。まったく気づかないでいるうちにブームは終了し、今ごろ感を漂わせながら、マイブームが始まった。

去年ももちろんお茶請けの梅や凍頂烏龍茶を購入して帰ってきた。どうして今年は、特にその魅力のとりこになってしまったのだろう? その理由は、飲み方だろうか。去年にくらべて今年はだいぶ余裕のある旅程で、九イ分(にんべん に分)と台北の茶藝館でのんびりとお茶を飲みながら、お茶の淹れ方を含めたゆったりした時間の流れを楽しんだ。

DSCF0713ガイドブックやサイトで紹介されている茶藝館の中から、気になるいくつかをピックアップし、めぼしをつけた2軒の茶藝館を目指す。中華テレビ近くの国父紀念館駅で地下鉄を降りて歩きはじめるが、どんなに行ったり来たりしてもみつからない。初めて空港に降り立ったとき、植えられているトロピカルな植物に、台湾は熱帯なんだと認識したことを思い出す。ギラギラの太陽とアスファルトの道路にはさまれて、お茶なんかもうどうでもいいから帰りたいという気持ちになってくる。

すれ違う人に地図と茶藝館の写真を見せて尋ねると、目指していた茶藝館はどちらも閉店したと身振り手振りで教えてくれた。台湾も何年か前に茶藝館ブームというものがあったらしい。そのブームが少し落ち着いたこのごろは、閉店してしまった茶藝館も多いという(お出かけ前にサイトなどを駆使してしっかり確認することをおすすめする)。暑さに参り、タクシーに乗って紫藤蘆に向かうことにした。

紫藤蘆は、古い木造の日本家屋の茶藝館で、テーブル席と気持ちのよい屋外の席とともに、奥には畳のお座敷もある。畳の部屋で壁にもたれて、足を伸ばしながら何時間も好きなお茶を飲む。あっちの角では、営業マン風の男性がひとりでノートに向かっている。彼は、my 茶葉持参の様子。館の女性が、大きな壺に活けた花をああでもないこうでもないと、挿しなおしている。・・・心地よくゆっくり流れる時間。

紫藤蘆で使われているお水は、高い高い山の湧き水だと、館の女性が最初の一杯を淹れながら話してくれた。お湯を口に含むとまろやかな甘い味がする。アルコールランプでシュンシュンと沸かして、大切に淹れる一杯。鼻を抜けるすがすがしい香り。ふわっと満たされるような感覚に幸福感を覚えて彼女の目を見たら、彼女も“ね、わかるでしょう?”とうなずいているように感じた。

DSCF0708茶藝館や、茶葉屋さん、茶器屋さんを訪ねると、どの人もお茶が本当に好きなんだなぁと伝わってくることがこのうえない快感だった。小龍包で有名な鼎泰豊(ディンタイフォン)から歩いてすぐの興華名茶。ここは無農薬の茶葉にこだわりを持つ茶葉屋さん。お店の30代の男性(たぶん次男さん)がお茶を淹れてくれたのだが、聞香杯から茶杯に移してお茶を飲んでいる私たちに、何度も何度も茶壺の蓋の香りをかがせてくれる。お茶を淹れてすぐ、少し置いてから、完全に蓋が乾いてから。そのたびに自分の鼻にも押し当てて恍惚とした表情をする。本当にお茶が心から好きなんだ。。。

味見をさせていただきながら、凍頂烏龍茶を2階級、文山包種茶、金萱茶、木柵鉄観音、 紅菊花牡丹茶、茉莉香片茶を少量ずつ購入した。昨年もここで凍頂烏龍茶を買ったんですよ、と話したら、びっくりするほど喜んだ。そして、ホテルの部屋で飲んでくださいと、無農薬の高山茶のティバッグをたくさん紙袋に詰め込んでくれた。今度行くときもきっと顔を出して、このお兄さんからお茶の説明を受けながら大切に味見をして購入したい。

DSCF0498おいしい茶葉を手に入れたら、やはり次にほしくなるのが茶器。もともとティーカップ好き&お買い物好きな私。いろんな焼きのいろんな模様と色の茶壺や茶杯が欲しくなるに決まっているとわかっていたので、欲張り禁物!と台湾に着いたときから決めていた。お財布の紐をギューッと絞めていたはずなんだけど・・・。

まず手始めに超々リーズナブルに道具をそろえたいなら、士林夜市や龍山寺近くがおすすめ。士林夜市の駅近くの通り沿いに100元から茶壺を扱っているお店がある。茶器を扱う狭い間口のお店が二軒並んでいるが、奥のほうが変な彫りをほどこしていないシンプルな形の茶壺がたくさんある。龍山寺駅から西園路二段を南下する道沿いにも、茶壺がぞんざいにカゴに入って売られている(ちょっと汚れている感じだった)。

きれいに並べられたクオリティ高い茶器をゆったりと見たいなら、シェラトンの地下の茗泉堂茶荘がおすすめ。たいへん高価な作家ものとともに、リーズナブルなものもあるので、安心して入って大丈夫。最初に全部そろえることはないの。家にある使えるものは使って、好きなものを少しずつそろえればいいの。と話してくれた店主の葉さんが本当に好印象。渋谷南平台のお宅と台湾で交互に生活をしているそうで、以前は青山に茶藝館も開いていたそうだ。上品な葉さんが大切に集めて扱っていらっしゃる茶器たちを見せていただくのだという気持ちを忘れないで、お店の中でふるまうことを忘れずに。もし、台湾に住む機会があったら、足しげく通ってしまうだろうな。

シェラトンの裏には、夜12時までやっている徳也茶喫もある。他の茶藝館では見られないようなお茶菓子が充実していて、茶器もある。その並びの何軒か先にも茶器屋さんがあるし、お茶好きの方はシェラトンに宿泊するとよいかもしれない。

DSCF0187帰ってきてから、お気に入りの茶器を使ってさまざまなお茶を1煎目、2煎目、3煎目・・・の水色と味、香りを楽しみながら味わっている。お茶とともに、まりなちゃんの本で絶賛されていた沁園の茶梅や台湾産のドライマンゴー、餐後梅をつまむ。台湾茶に関する本もサイトもオンラインショッピングも実に充実していて、日本にいてもかなり楽しめることもわかった。台湾茶の頒布会もある! 気になる茶藝館が都内にもいくつかある! 今は本を少しずつ読み進めながらお茶の味を知り、茶藝館をひとつひとつ順番に訪ねることを楽しみに、次回の台湾行き計画が早くも気になっている。

養壺。繰り返し茶壺でお茶を入れ、丁寧に手入れを重ねることで、茶壷には美しい光沢が生まれるという。長年大切に使われてきた茶壺は、茶葉なしでお湯を入れるだけでも、お茶の香りがするそうだ。あせらずゆっくり長く丁寧に。そんな気持ちで台湾茶とこれからもずっと接していきながら、台湾や中国の歴史についてもっと知りたい。そんな新しい興味を生んでくれた、すばらしき台湾の旅だった。

写真で紹介! 台湾 3 (写真をクリックすると大きくなります)

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侯孝賢監督の『非情城市』で有名な九イ分(にんべん に分)。1年のうちほとんどが雨というところなのに、抜けるような青い青い空が広がる一日だった。台北から列車で50分ほど+バスで行く。山の斜面をバスで上がりながらの風景も美しいし、細く長い階段が続く街も美しい。ノスタルジーがたくさんつまったところ。

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小龍包で有名な鼎泰豊(ディンタイフォン)。日本のお店と同じ食べ方説明書が置いてある。もち米シュウマイ、空芯菜炒め、ちまきもおいしい。昨年初めて台湾の鼎泰豊で食べた小龍包には感動した。でも、今年は口いっぱいに熱々に広がる肉汁がなく、かなりがっかりの味だった。リベンジに帰国後二子玉川に食べに行ったら、今年の台湾の小龍包よりおいしかった。左が去年、右が今年。やっぱり見た目でもわかるほどに皮と肉汁の関係が・・・。蒸しあがってからテーブルに運ばれるまでの時間が鍵のようだ。

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お店に入ってすぐのところで作っている度正月の担仔麺。その右は好記担仔麺の担仔麺。エビのだしがしっかりきいたスープに細い麺に肉そぼろ。小さめだから軽く食べられてしまう。一番右は、阜杭豆漿の豆漿。あたたかくほの甘ーい豆乳に油條(揚げパン)を浸して朝ごはん。おいしかったー。

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チェーン店なので、台北のあちこちで出会う苦茶之家。黒いお茶は36種の漢方の材料が入っているらしい。初めて口にしたときは、苦くてもうダメと思ったのに、添えられて出てくる白い丸い粒と一緒に我慢して飲んでいると、だんだん慣れてくる。一緒に行った家人はどうも癖になったらしく、去年も今年もグイグイ飲んでいた。他にも白キクラゲややわらかく煮た蓮の実、タロ芋などをのせたかき氷もある。これはおいしいし、お肌に良さそう。

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東區粉圓の台湾の伝統的なカキ氷。タピオカや仙草ゼリーなど、好きなトッピングを選べる。暑い台湾でのおいしいデザート。一番右は、冰館 Ice Monster のマンゴーかき氷。ふたりで食べてやっとの大きさ。たっぷりのマンゴーは台湾産。ここでも台湾はトロピカル・アイランドなのだと再認識する。このお店は大阪に何店舗かあるみたい。

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ホテル選びはその旅行の良し悪しを決めるひとつの要素だと思う。去年は、台北晶華酒店(Grand Formosa Regent Taipei)に泊まった。バスルーム、居室もゆったりと広くいいホテルだった。中山駅からも近くて便利なロケーション。どこに行くのにタクシーを使ってもたいした料金にならない。

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去年、空港から市内に向かうバスから見えた圓山大飯店(The Grand Hotel)。丘の上に立つ巨大な中国風の建物に圧倒された。やっぱり一度は泊まっておこうかということになった。到着した日は中秋の名月。ホテル前の広場にたくさんの風船が飾られた特設会場ができて、たくさんの人が集まっている。茗泉堂茶荘の葉さんによると、中秋の名月には月餅を食べるそうで、台湾の月餅はとてもおいしいのだそうだ。
圓山ホテルは分厚い建物なので、窓なし部屋が存在する。格安ツアーでこのホテルに泊まる方は、事前によく確認することをおすすめする。私は基本的にツアー旅行はしないので、航空券とホテルを別々に予約することが多い。インターネットとは本当に便利なツールで、安くホテルを予約できるサイトがたくさんみつかって、詳細をじっくり比べてから予約できる。今年、圓山ホテルを予約したのはココ(たぶん台湾の方が運営している)。デラックスルーム、グランドデラックスルームにグレードアップして、街側のテラスのある部屋を指定してもだいぶリーズナブル。

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圓山ホテル内のレストラン金龍庁で。新館の山側に大きな窓のあるレストラン。お天気がよく明るい室内。外には深いグリーン。遠くに松山空港が見える本当に気持ちのよいレストラン。
圓山ホテルは足の便があまりよくないので、短い滞在中にできるだけいろいろ楽しみたい旅行者には不便。もののためしに一度は泊まるか、食事だけに一度訪れるのでよいかもしれない。
(左上の写真のお酢がほんのり紅くてきれいだった。)

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地下鉄圓山駅を通る淡水線の北のターミナル駅、淡水。きれいな夕焼けが見えるので、夕方訪れるのにぴったりな場所。日没後は海沿いをのんびりと歩くことができる。
台北中正空港に日本から入るとき、帰るときは淡水の上を飛ぶ。一番右の写真の空の中で光っているのが飛行機。海沿いの景色の中に見えた橋が、帰りの飛行機の中からも見えた。

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