ステーキ&キドニー・パイ
今日も午前中は陽がさすほどに晴れていた。が、お昼ごろにはまた降り始め、あがったと思ったら、また降る、の繰り返しの一日だった。
昨日から、方向音痴やバスで、トンチンカンをやっている。方向には昔から自信があったはずなのだが、たまに肝心なときに反対方向に行ってしまってたいへんなことになる。昨日はチェルシー・フラワーー・ショウの後、ロイヤル・オペラ・ハウスに行く前に宿に一度戻って着替えるため急いでいたのに、反対方向のバスに乗ってしまって(それも何の迷いもなく)、かなりの時間をロス。
今日のお昼は、降りるべきバスストップを見逃して、ランチを約束していた大切な友人を雨の中待たせてしまった。夜は夜で、曲がるべき道を一本間違えて、場所はよく知っているレストランなのに、待ち合わせに遅刻。情けない。。。
今夜は、Rules というロンドンで一番古い英国料理のレストランへ行った。古めかしい調度品が店内いっぱいを埋め尽くして、いかにも英国的なレストラン。ゲーム料理といって、狩猟でしとめたキジやウサギなどの料理を供するレストランとしても有名。
ヘビーな英国らしいデザートまできっちり食べたかったので、first course は押さえ気味にスープにしたのに、“スティルトン(英国のブルーチーズ)とブロッコリーのスープ”はこってり。そしてお皿にたっぷり。これだけで夕食になりそうなほど、おなかにずしり。その後、やっぱりこれを食べなくちゃねと、メインに注文していた“ステーキ&キドニー・パイ”がどどーんと到着。
パイで蓋のされた、ステーキ&キドニーの煮込みの入ったパイ皿、マッシュポテトとインゲン豆のゆでたものがのったお皿、空の大皿がテーブルに並ぶ。はてさて、どうやって食べよう。
近くのテーブルでステーキ&キドニー・パイをオーダーした人が2人いたので観察する。
一人目の男性は、
(1)まずパイの蓋を上手に切り取ってはがして、大皿の縁へよけておく。
(2)その後、ステーキ&キドニーを大皿に全部移す。
(3)ステーキ&キドニーの上によけておいたパイをのせる。
(4)別皿のマッシュポテトと豆を添える。
(5)パイをナイフで切ってステーキ&キドニーとともに口に運ぶ。
という上品な食べ方。
もう一人の男性は、
(1)パイ皿のまま、蓋のパイをフォークでざくざくカット。
(2)ステーキ&キドニーとパイが混ざった状態のものを大皿へ移す。
(3)別皿のマッシュポテトと豆をたっぷり添える。
(4)大皿によそったものをあっという間に平らげる。
という元気な食べ方。
幸い、一人目のほうのパイが私よりも先にテーブルに運ばれてきたので、私もその人に見習って上品な頂き方をすることにした。
食後は、いかにも英国らしい4つのデザート、トリークル・スポンジ・プディングか、スティッキー&トフィー・プディングか、ホットラズベリーソースがかかったプディングか、トライフルズかで迷う。やっと決めたスティッキー&トフィー・プディングは、バタースコッチのソースの上にのっていて、さらにその上からたっぷりとあたたかいカスタードをかけてくれる。見るからにヘビーで甘そう。口に運ぶと震えるほど甘いんだけど、おいしい~。
しかし、ステーキ&キドニー・パイもスティッキー&トフィー・プディングも完食ならず、お店をあとにした。明晩はロンドンで弁護士をしている友人が、おいしいフィッシュ&チップスのお店に連れて行ってくれる予定。今の胃の状態では、油で揚げたものを明日食べるなんて想像できない・・・(胃が悲鳴!)。
ということで、今日はステーキ&キドニー・パイのお話し。昨日のチェルシー・フラワー・ショウについては、もうひとつの植物関連のブログのほうに、去年よりはもう少しちゃんとしたリポートを帰国後にアップすることにする。
<おまけ>
イギリスのアンティークショップのショウ・ウィンドウには、犬が昼寝していることがよくある。日当たりがよい特等席なのだろう。じーっと動かないので人形なのか本物なのか、立ち止まって見入ってしまう。今日もそんな光景に遭遇。丁寧に注意書きまで置いてある(右)。人形かな、どっちかなと見ていると、隣にいた老夫婦が「人形よー!」とやっとわかったように声をあげた。まだいぶかしげに見る私に、「さっきから目があいたままで動いていないでしょ! 人形よ!」とウィンクしながら話してくれた。
そっか、人形か。残念。
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