« チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <6> | Main | チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <8> »

29 April 2006

チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <7>

植物への情熱
フローラル・パビリオンの魅力

(いずれの写真もクリックすると大きめの画像が開きます)

111 ショウ・ガーデンやスモール・ガーデン以外にも、大きな2つのフローラル・パビリオン、フラワーアレンジメントのテント、屋外の通り沿いに並ぶたくさんのブースなど、会場にはまだまだみどころがたくさんあります。特に注目はフローラル・パビリオン。3.5エーカー(1.4ヘクタール)の巨大なテントの中に、さまざまなナーセリー(種苗会社)がチェルシーのこの4日間のために丹精こめて育てた花々100万本以上が並びます。<写真左:フローラル・パビリオン内の花々の展示>

22_1 植物を最高の状態で会場に持ち込むために、たとえばチューリップのナーセリーでは、ショーの数週間前からよいものを選んで冷暗な場所へ保存し、たくさんの切花を揃えます。ひとつひとつの花を大切に薄紙でくるんでいる様子がテレビで放映されていました。また、ショウは、新しい品種や珍しい品種のお披露めの場所でもあります。"New Arrival"、"New Variety"と誇らしげに名札がつけられたバラやスイートピー、ビオラ、パンジーなどが並びます。同じ種類の花が、色彩さまざまにこんもりと生けられ、ずらりと並ぶ様子は圧巻です。<写真右:"Happy Birthday"という新しいスイートピー>

出展している人々の熱い熱い情熱がひしひしと伝わってくるフローラル・パビリオン。そのこだわりようを観察するのも楽しみです。ひとつの品種、特性にこだわった展示が多く見られる背景には、植物への熱い想いがあるのです。

44 イネ科の植物の個性的な魅力に惹かれた男性が、10年かけて200種以上集めたイネ科の植物ばかりの展示、つるもののアグレッシブな魅力にとりつかれ、一番明るく美しい花をつける品種に娘の名前をつけた男性、私の生活の中心は球根だという女性は、季節の訪れは球根で知ると話していました。こういう人たちが育てるナーセリーの植物なら、ぜひ育ててみたくなります。<写真左:新しいバラ"Anthony">

66 小さなつばの黒いおそろいの帽子をかぶった親子は、ひと鉢ひと鉢を金色の額の中におさめたかわいい展示で、さまざまな西洋サクラソウを見せていました。植物への情熱はほとんど病気のようだと語る父。どうしても全部の品種を揃えたくなってしまうのだそうです。その情熱は息子にも受け継がれ、140種類の八重咲きの西洋サクラソウを集めたと、目をキラキラさせながら話していました。<写真右:金色の額の中におさめられた西洋サクラソウの展示>

77 オーガニックなハーブで知られる"Jekka's Herb Farm"。日本の園芸雑誌でも見かけたことのあるジェッカさんが、"This is my herbs"と誇らしげに話している姿がありました。子どもを育てる過程で始めた有機農法によるハーブ栽培はすでに22年にもなり、今ではもっともイギリスで信用されている、400種のハーブを扱うハーブ農園に成長しました。チェルシーのショウでは毎年金賞を受賞。今年も金賞のマークが輝いていました。<写真左:一番左がジェッカさん>

14_2 ほかにも、多年草、宿根草ばかりを集めた展示、バラ、ハーブ、ラベンダー、ホスタ、モミジ、ゼラニウム、クレマチス、キク、サボテンなどの専門ナーセリーの展示が並びます。その中に混じって、ジャガイモばかりをカゴにつみあげた展示があり、黒いジャガイモ、紫のジャガイモなどを珍しそうに眺める人々が集まっていました。おイモが主食のイギリス。さて、いちばんおいしいのはどのジャガイモなのでしょう。<写真右:ジャガイモばかりがずらり>

15_2 野菜をきれいに盛り上げ、ディスプレイした展示もあります。野菜が私の情熱だと語る男性は、8年ほど前から趣味で野菜づくりを始めたそうです。バラなんて食べられないのに・・・と、野菜こそショウの主役だといわんばかり。形の整ったトマトやコールラビ、タマネギ、ニンジンはつやつやと輝いていました。<写真左:美しく盛られた野菜>

そういったナーセリーの人々の情熱にも負けない熱心さが、会場内を見て歩く人々からもうかがえます。小さなノートに真剣に書き込みをしたり、展示の花とつきあわせながらナーセリーのカタログに印をつけたり。そういった姿は女性よりも男性、それも蝶ネクタイを身につけているほどスマートな、スーツ姿の男性に多く見られたのが印象的でした。

16_1 ナーセリー以外の展示にも面白いものがあります。イギリスでのちょっとした日本ブームの影響からか、盆栽専門の会社もいくつか見られました。その名もずばり"Bonsai"。"British Bonsai Society"という団体まであります。いけばなコーナーを囲む女性たちからは、「シンプル!」「クレバー!」という声が聞こえました。<写真右:盆栽の展示>

22_4 丁寧に作られたショウ・ガーデンやスモール・ガーデンを見て自分の庭に生かすヒントをみつけ、夢をふくらませてからパビリオンの中に足を踏み入れると、今度は育ててみたい植物がずらりと並んでいます。実際に植物を育てている人にとって、夢中にならずにはいられない展示がフローラル・パビリオンの中には詰まっています。ショウの帰り道はみんな、来シーズンの庭づくりのプランで頭がいっぱいになっているのでしょうね。<写真左:一年草や宿根草のベディング・プランツを使った展示>





~そのほかの写真~

3_6 5_2 8_5 9_3
<左から:黒に近いバーガンディ・カラーの珍しいスイートピー"Burnished Bronze Maroon"、ビオラとパンジーのナーセリーの展示、金賞のジェッカさんのハーブ、ラベンダーのナーセリーの展示>

10_2 11_2 12_2 13_3
<左から:ゼラニウムのスタンダード仕立て、クレマチスのナーセリーの展示、和風にあしらわれたクレマチス、ホスタの美しさ>

Ch2002717 Ch2002718 Ch2002719 Ch2002720 Ch2002721
<写真左から:種や実ばかりを並べた展示 ハスの実、食虫植物の展示、野菜と花を組み合わせた展示・赤、野菜と花を組み合わせた展示・白、一年草や宿根草を組み合わせた展示>

※このリポートはMainichi INTERACTIVE(毎日新聞)に2002年に連載したものです。イベント日時などは当時のものですので、ご注意ください。

|

« チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <6> | Main | チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <8> »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/88615/9809498

Listed below are links to weblogs that reference チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <7>:

« チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <6> | Main | チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <8> »