29 April 2006

チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <9>

it could plan ideas in your head"
さまざまな魅力、余韻をいつまでも味わえるショウ

(いずれの写真もクリックすると大きめの画像が開きます)

Rose3 チェルシー・フラワー・ショウの期間中、BBCでは毎晩8時から1時間の特別番組が放映されました。21日から始まるショウを前に、19日からプレ番組がスタート。会場からは、ショウ・ガーデンやフローラル・パビリオン内の各スペースが作られる様子がリポートされ、ショウへの期待がますます高まります。

Flowers1 審査前日の夜遅くまで仕上げたり、徹夜をする人々の姿もありました。20日の審査当日には、花がらを丁寧に摘み取ったり、レンガやエッジにブラシをかけてきれいに整える、緊張した様子がうかがえます。ショウ初日の21日の朝、審査結果が発表。賞をもらって大喜びする人々、胸がいっぱいだと目をうるませる人・・・。どれだけ権威あるショーなのかを改めて感じさせられるシーンでした。

BBCには、"Gardener's World"などガーデニングに関する人気番組がいくつかあります。番組の魅力はなんといってもプレゼンターの面々。それぞれのプレゼンターに個性があり、皆がそれぞれの視点でガーデニングを愛し、番組づくりをしていることが伝わってきます。植物を育てることだけでなく、それぞれのライフスタイルにあった庭づくりをすることの楽しさ、素晴らしさを一緒に実感できるような番組で、見終わったあとになぜか幸せな気持ちになってしまうのです。
 →BBCのガーデニング・サイト

チェルシー・フラワー・ショウの特別番組も、テレビでおなじみのMr. Alan Titchmarsh、Mr. Diarmuid Gavinと、Ms. Rachel de Thameの主に3人で進行されました。

1_6 Alanは1995年から"Gardener's World"を担当する「超」人気プレゼンター。日焼けした中年の男性で、いきいきとしたあたたかみある話し方、植物を愛してやまない様子が親しみを感じさせます。番組内で、"Queen Mother"という名前のスイートピーの香りを幸せそうにかぐ姿が印象的でした。イギリスでの彼の人気は本当にびっくりするほどで、残念ながら、"Gardener's World"を降りることが発表された6月末以降、彼を惜しむファンのメールや手紙がBBCにはたくさん届いているそうです。今後、どんな新しい番組に登場するのか楽しみです。
<写真左:Mr. Alan Titchmarsh>

2_5 一方のDiarmuidは、コンクリートなどをどーんと配したモダンでアーキテクチュアルなデザインを得意とする、アイルランド人のガーデンデザイナー。アイルランドのマーク入りのグリーンのトレーナーにジーンズというラフなスタイルで登場していました。今年のチェルシー・フラワー・ショウは「自然回帰」の傾向だったので、彼自身はあまり好みではなかったかもしれません。番組内でも、彼はモダンなガーデンの紹介を担当していました。
<写真右:Mr. Diarmuid Gavin>

3_8 正反対ともいえる好みを持つAlanとDiarmuid。この二人のやりとりが楽しい番組でもありました。Alanは植物が好きだからなぁとジョークを交えて話すDiarmuidは、鉢植えの小木を持ち上げるときの武骨さから、植物自身にはあまり興味がないことがうかがえます。そんな個性を尊重した番組づくりも魅力でしょうか。二人で毎日探してくるトピックスの中には、"The Garden of Transparency"に植え込まれた木にblack birdが巣を作り始めているなんてものも。見事に作られたガーデンがよほど居心地よかったのでしょう。ショウの終了後には取り壊されるので、つかの間の仮宿ですね。
もうひとりのプレゼンター、Rachelはバラが好きなとても美しい女性です。今回のショウで一番好きなのは黒っぽい色のアイリスだと話していました。
<写真左:Ms. Rachel de Thame>

会場を歩く途中では、BBCの番組収録に出くわすこともしばしば。テレビでおなじみのプレゼンターが、真剣な面持ちで打ち合わせしたり、楽しそうに出展者と話しています。そして、そのまわりにはたくさんの人! Alanになど、まったく近づくことができませんでした。

以降毎晩の番組では、会場からの映像とあわせて、事前に出展デザイナーやナーセリーを追った詳しい取材映像も紹介されます。

Koi 見事な鯉の池が人々の興味を集めた"World of Koi"の出展者が、日本まで鯉を買い付けに行く様子を追うリポートもありました。新潟県山古志村にある養殖の池でいきいきと泳ぐ鯉を嬉しそうに見ながら、「予算に糸目はつけない」と品定め。気に入った鯉のなかには、1万ポンド(約190万円)以上のものもあったようです。

他にもGoldメダルを受賞した"Tearmann si - A Celtic Sanctuary"のアイルランド人の女性デザイナーが、アイルランドの荒れた草原から岩を運ぶ様子や、蓼科の「バラクラ イングリッシュ ガーデン」も人気のプレゼンター、Mr. Chris Beardshawが来日して丁寧に取材されていました。

ショウ・ガーデン以外の小さな出展者にも目を向けた番組づくりをしていることにも好感を持ちました。インドからのフラワーアレンジメントの出展者は、花材全部を持ってくることができないので、コベントガーデンの花市場に買出しに行く様子がリポート。イメージするアレンジに近い花をみつけられたと静かに語る、サリーを着た年配の女性二人。メダルは何もなかったけれど?というインタビューに、ここにいることに意味があり、光栄です。参加できてよかったと満足そうに微笑んでいました。いろいろな物語があるんですね。

番組途中で何度も挿入されるキーワードが、"it could plan ideas in your head"。いろんなことを感じ、楽しませてくれたショウ、そして番組でした。

 BBCのガーデニング・サイトの中にチェルシー・フラワー・ショウのコーナーがあり、
 各ガーデンを360度の角度から見ることができます。
 →http://www.bbc.co.uk/gardening/events/chelsea/

そして、ショウ最後の恒例のお楽しみ。ショウ最終日の夕方4時30分、アナウンスとともにAlanが鐘を鳴らし、セールがスタート!展示された切花や鉢植えなどが一斉に即売されるのです。Alanが鐘を鳴らす様子はBBCのニュースでも放映されていました。毎年これが楽しみで、ショウの最終日に出かける人も多いそうです。

St_1  24日夕刻の地下鉄Sloan Square(スローン・スクエア)駅は、花を抱えた人々であふれ、入場制限もあるほど。去年、ショウの最終日の夕方にちょうどSloan Square駅を地下鉄で通り、両手に花を持ったニコニコと幸せそうな人々がホームにいっぱいだったことを思い出します。

5_3 駅からはみ出した、嬉しそうな表情の人々の様子をカメラにおさめているうちに、こちらまで嬉しい気持ちになりました。それぞれが抱える花々に好みがかいまみれるのも面白い。持ち帰った花々をどう飾り、どう植え込んだのでしょう。5月のこの素晴らしいイベントに来年もまた立ち会えることを心から願いながら、夢のように楽しかったショウに別れを告げました。

「通常、人々が庭を作るのは一生に一度のこと。それには流行なんて関係ない。自分のライフスタイル、コンセプトにあった、本当に自分の好きな庭づくりをすることが大切で、その感覚をデザイナーも持ちつづけることが大事だと私は思う。」
Silverメダルを受賞した"Through the Glass Ceiling"のMiriam Book女史が言っていたことです。今回のショウでいちばん心に残った言葉でした。

~そのほかの写真~

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<左から:ラベンダーの大株! 、ニチニチソウのポットをたくさん、黄色い花好きの二人? 、両手に花>

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<左から:顔が見えないほど! 、リュックにも・・・、見事なクレマチス 思わず笑顔、ピンクの花とポールと 重そう>

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<左から:ゼラニウム好きなおじいさん、チェルシーの街並を背景に、アルストロメリアばかり、スプレー菊の切花を抱える男性 おみやげかな>

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<左から:駅からあふれる人々、パブでひと休み>

※このリポートはMainichi INTERACTIVE(毎日新聞)に2002年に連載したものです。イベント日時などは当時のものですので、ご注意ください。

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チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <8>

ショウのお楽しみはいろいろ
トレンドやお気に入りのグッズ探し

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1_5 毎年開催されるチェルシー・フラワー・ショウには、花や葉の色、ガーデンを構成する素材、スタイルなどに、その年それぞれのトレンドがあります。今年のショウを大きく支配していたのは、"go back to nature(自然回帰)"。前述でご紹介したショウ・ガーデンの多くが、自然な景色を背景に植物を主役にすえたスタイルのガーデンでした。去年は、コンクリートや錆びた鉄などを配したミニマルでモダンなガーデンが注目を集めましたが、今年はそういう素材を前面に出したデザインは影をひそめていました。
<写真左:自然のままが再現された庭 "Somerset Revival" (Courtyard Gardens) より>

3_7 また、「水」の存在を感じるガーデンが多かったことも特長でしょうか。ショウ・ガーデンの中にも、鳥の飲み水のために流れる水、透明な球の中にうずまく水、浄化して流れる水、ガーデンの中心に静かに横たわる水、鯉が泳ぐ池の水など、水が重要な役割を果たすガーデンが多く見られました。空や植物を映す静かな水も、低い音をたてて流れる水もどちらも、そのかたわらで水の音を聞いたり、水にふれていながらしばし休んでいたくなるような心地よさを醸していました。
<写真右:水が渦巻く球体 "Elevation" (Show Gardens) より>

4_4 色の流行は、パープル。パープルの人気はおととしから続いています。今年のパープルは、ライラックブルーのような淡い藤色から、ワインのような濃いパープルまでのヴァリエーション。水色のような淡いパープルが美しいアイリス、ほとんど黒に近い深い色の葉を持つヘウケラ(コーラル・プラント)や、ワインレッドのアザミも目をひきました。
<写真左:ワインレッドのあざみ "Severn Trent Water Bird Garden" (Show Gardens) より>

6_4 そのほかに印象深かったのがオレンジ色の花々。まぶしいほどあざやかな色、赤に近い色ももちろんありましたが、特に印象に残っているのはやわらかさを持つ淡い色合いのオレンジ色です。この色が集まる庭の持つ華やかさ! あたりをふわーっと光で包みながら発光しているようにさえ感じました。
<写真右:あざやかなオレンジ色のIceland Poppy(シベリアヒナゲシ)>

13_2 ガーデン・デザインや植物以外の楽しみもショーにはあります。屋外には、大きな家具、パーゴラ、トピアリー、裏庭に置く子ども用の小さな家、最新の芝刈り機から、ガーデン手袋、銅や木でできたネームタグなどのガーデン小物、学校案内まで、さまざまなブースが並んでいます。両手いっぱいにお買い物をする人々も。
<写真左:アンティークの大きなジョーロを持つ男性>

10_3 たくさんの人が集まっていて中に入ることさえできなかったのが、アンティークのガーデニング・ツールを扱うお店です。錆びて古びたじょうろ、シャベル、フォーク、ネームタグ、苔むした小さなテラコッタの鉢、古いボタニカル・アートなどなどが小さなスペースにぎっしりと並び、たくさんの人々が夢中で品定め。アンティークのじょうろが持つ風合い、デザインは素晴らしくて、コレクションの価値ありです。
<写真右:アンティークのシャベル類>

15_3 テラコッタの鉢で知られるウィッチフォード社の出展スペースもありました。きれいな寄せ植えがほどこされた見事な鉢は、そのまま持ち帰りたいほど。ウィッチフォード社のテラコッタは、ショウ・ガーデンでGold(金)メダルを受賞し、今年のベスト・ガーデンにも選ばれた、Roger Platts氏の"Garden Open"の片隅にも置かれていたり、フローラル・パビリオン内のジェッカさんのハーブの植え込みのまわりを囲むエッジにも使われていました。
<写真左:積み上げられたテラコッタの鉢>

19_1 ブースから離れて、Courtyard Gardens(コートヤード・ガーデン)が並ぶピクニック・エリアのあるほうへ歩くと、そこにはさまざまなガーデン・オーナメントのメーカーが点在しています。大きなアリ、クモなどの虫のオブジェや、フクロウやウサギが草むらの中からこちらを見ています。かなりグロテスクなウサギには2800ポンドというお値段がついていました。
<写真右:ふくろうのオーナメント>

さて、チェルシー・フラワー・ショウのご紹介も次回が最終回。来週は、ショウの最終日にニコニコ顔で会場を後にする人々と、BBCのガーデニング番組についてお送りします。

~そのほかの写真~

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<左から:ミミズを使ったコンポストの会社、バードフィーダー(虫カゴ、バードハウスを扱う会社)、熱心に選ぶ人々、アンティークのガーデングッズが並ぶ>

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<左から:ウィッチフォード社のマーク、きれいな寄せ植えとテラコッタの鉢、"Jekka's Herb Farm"のエッジ>

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<左から:ピクニック・エリア、クールなオーナメント、屋外のオーナメント この手は・・・、花の形のパラソル>

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<左から:キュートな犬のオーナメント2種。 コラコラ・・・、何を夢中で掘っているの?>

※このリポートはMainichi INTERACTIVE(毎日新聞)に2002年に連載したものです。イベント日時などは当時のものですので、ご注意ください。

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チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <7>

植物への情熱
フローラル・パビリオンの魅力

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111 ショウ・ガーデンやスモール・ガーデン以外にも、大きな2つのフローラル・パビリオン、フラワーアレンジメントのテント、屋外の通り沿いに並ぶたくさんのブースなど、会場にはまだまだみどころがたくさんあります。特に注目はフローラル・パビリオン。3.5エーカー(1.4ヘクタール)の巨大なテントの中に、さまざまなナーセリー(種苗会社)がチェルシーのこの4日間のために丹精こめて育てた花々100万本以上が並びます。<写真左:フローラル・パビリオン内の花々の展示>

22_1 植物を最高の状態で会場に持ち込むために、たとえばチューリップのナーセリーでは、ショーの数週間前からよいものを選んで冷暗な場所へ保存し、たくさんの切花を揃えます。ひとつひとつの花を大切に薄紙でくるんでいる様子がテレビで放映されていました。また、ショウは、新しい品種や珍しい品種のお披露めの場所でもあります。"New Arrival"、"New Variety"と誇らしげに名札がつけられたバラやスイートピー、ビオラ、パンジーなどが並びます。同じ種類の花が、色彩さまざまにこんもりと生けられ、ずらりと並ぶ様子は圧巻です。<写真右:"Happy Birthday"という新しいスイートピー>

出展している人々の熱い熱い情熱がひしひしと伝わってくるフローラル・パビリオン。そのこだわりようを観察するのも楽しみです。ひとつの品種、特性にこだわった展示が多く見られる背景には、植物への熱い想いがあるのです。

44 イネ科の植物の個性的な魅力に惹かれた男性が、10年かけて200種以上集めたイネ科の植物ばかりの展示、つるもののアグレッシブな魅力にとりつかれ、一番明るく美しい花をつける品種に娘の名前をつけた男性、私の生活の中心は球根だという女性は、季節の訪れは球根で知ると話していました。こういう人たちが育てるナーセリーの植物なら、ぜひ育ててみたくなります。<写真左:新しいバラ"Anthony">

66 小さなつばの黒いおそろいの帽子をかぶった親子は、ひと鉢ひと鉢を金色の額の中におさめたかわいい展示で、さまざまな西洋サクラソウを見せていました。植物への情熱はほとんど病気のようだと語る父。どうしても全部の品種を揃えたくなってしまうのだそうです。その情熱は息子にも受け継がれ、140種類の八重咲きの西洋サクラソウを集めたと、目をキラキラさせながら話していました。<写真右:金色の額の中におさめられた西洋サクラソウの展示>

77 オーガニックなハーブで知られる"Jekka's Herb Farm"。日本の園芸雑誌でも見かけたことのあるジェッカさんが、"This is my herbs"と誇らしげに話している姿がありました。子どもを育てる過程で始めた有機農法によるハーブ栽培はすでに22年にもなり、今ではもっともイギリスで信用されている、400種のハーブを扱うハーブ農園に成長しました。チェルシーのショウでは毎年金賞を受賞。今年も金賞のマークが輝いていました。<写真左:一番左がジェッカさん>

14_2 ほかにも、多年草、宿根草ばかりを集めた展示、バラ、ハーブ、ラベンダー、ホスタ、モミジ、ゼラニウム、クレマチス、キク、サボテンなどの専門ナーセリーの展示が並びます。その中に混じって、ジャガイモばかりをカゴにつみあげた展示があり、黒いジャガイモ、紫のジャガイモなどを珍しそうに眺める人々が集まっていました。おイモが主食のイギリス。さて、いちばんおいしいのはどのジャガイモなのでしょう。<写真右:ジャガイモばかりがずらり>

15_2 野菜をきれいに盛り上げ、ディスプレイした展示もあります。野菜が私の情熱だと語る男性は、8年ほど前から趣味で野菜づくりを始めたそうです。バラなんて食べられないのに・・・と、野菜こそショウの主役だといわんばかり。形の整ったトマトやコールラビ、タマネギ、ニンジンはつやつやと輝いていました。<写真左:美しく盛られた野菜>

そういったナーセリーの人々の情熱にも負けない熱心さが、会場内を見て歩く人々からもうかがえます。小さなノートに真剣に書き込みをしたり、展示の花とつきあわせながらナーセリーのカタログに印をつけたり。そういった姿は女性よりも男性、それも蝶ネクタイを身につけているほどスマートな、スーツ姿の男性に多く見られたのが印象的でした。

16_1 ナーセリー以外の展示にも面白いものがあります。イギリスでのちょっとした日本ブームの影響からか、盆栽専門の会社もいくつか見られました。その名もずばり"Bonsai"。"British Bonsai Society"という団体まであります。いけばなコーナーを囲む女性たちからは、「シンプル!」「クレバー!」という声が聞こえました。<写真右:盆栽の展示>

22_4 丁寧に作られたショウ・ガーデンやスモール・ガーデンを見て自分の庭に生かすヒントをみつけ、夢をふくらませてからパビリオンの中に足を踏み入れると、今度は育ててみたい植物がずらりと並んでいます。実際に植物を育てている人にとって、夢中にならずにはいられない展示がフローラル・パビリオンの中には詰まっています。ショウの帰り道はみんな、来シーズンの庭づくりのプランで頭がいっぱいになっているのでしょうね。<写真左:一年草や宿根草のベディング・プランツを使った展示>





~そのほかの写真~

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<左から:黒に近いバーガンディ・カラーの珍しいスイートピー"Burnished Bronze Maroon"、ビオラとパンジーのナーセリーの展示、金賞のジェッカさんのハーブ、ラベンダーのナーセリーの展示>

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<左から:ゼラニウムのスタンダード仕立て、クレマチスのナーセリーの展示、和風にあしらわれたクレマチス、ホスタの美しさ>

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<写真左から:種や実ばかりを並べた展示 ハスの実、食虫植物の展示、野菜と花を組み合わせた展示・赤、野菜と花を組み合わせた展示・白、一年草や宿根草を組み合わせた展示>

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チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <6>

アイディア、ヒントがたっぷり
4タイプのスモール・ガーデン 3

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フローラル・パビリオンにはWestとEastの2つがあり、それぞれに70~100近い出展スペースがあるほどの広さです。そのうちのひとつのWest パビリオンのほぼ中心部に、サンフラワー・ストリート・ガーデンの一角があり、上から見下ろせる場所が設けられていました。行列にしばらく並んで、チャリティに1ポンド寄付してヒマワリ(サンフラワー)の種を1袋受け取り、壇上にあがって6つのガーデンの全体像を見るのも楽しい時間です。

"Pershore Cottage" by Pershore College
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コッツウォルズの伝統的なコテージガーデンのスタイルにカラフルな植え込みなどで味つけ。
<写真(左から):色あざやかな花々、じょうろからじょうろへ流れる水、庭全景と見下ろす人々>

"The Bride's Garden" by Van Hage Garden Co.
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今年結婚したいと思っている人たち、初めての家を購入したふたりのためのガーデン。
<写真(左から):白やピンク系の花で甘さがいっぱい、フロントガーデンにはハート・シェイプの花壇、ピンクのドアにやさしいアーチ>

"The Privy Garden" by Squire's Garden Centres
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Golden Jubileeにちなんだガーデン。エリザベスⅠ世のために作られた庭を現代風にアレンジ。
<写真(上段左から):全景、ゴールド系で豪華なオーナメント、まぶしいほどの色合わせ、この庭を手がけたのはアイアン・アートの会社、この2色の組み合わせがメイン>

"Changing Times for Conifers" by Association of British Conifer Growners
12_1さまざまな形、色のコニファーを使った新しいスタイルのコニファー・ガーデン。
<写真:上から見下ろす>



"The Scotsdale Garden" by Scotsdale Garden Centre
13_1 アングルにより違った表情を見せるガーデン。
<写真:レンガのやさしい色合いと花々の色>



"Informal Model Garden" by Wyevale Garden Centres Plc
14_1 メタルと木という異なる材質を使って、レンガの家の前庭を新鮮に。
<写真:白鳥のような形のメタルのオブジェ>




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27 April 2006

チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <5>

アイディア、ヒントがたっぷり
4タイプのスモール・ガーデン 2

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"Kelly's Creek" by Alison Wear Associates
(Chic Gardens) GOLD
Ch2002525オーストラリア原住のアボリジニのアートがいきたガーデン。シック・ガーデンのベスト・ガーデン。
<写真:異彩を放つビジュアル>




"Chic, Hip & Groovy Dance Pad"  by Warwickshire College
(Chic Gardens) SILVER
Ch2002526植物を育てるだけでなく、楽しめるスペースとしてのガーデン。
<写真:シルバーの球形がポイント>




"Green Misty Light" by McNeil Designs
(Chic Gardens) SILVER
Ch2002527反射する壁と蓋のできる池が特徴のガーデン。
<写真:ここにも球状のオブジェ>




"The Other Golden Jubilee" by Monk Sherborne & District Horticultural Society
(Chic Gardens) SILVER
Ch2002528Monk Sherborne園芸協会発足50周年を記念したガーデン。現在と過去をあらわす。
<反射するオブジェ>




"3-3-3 Recurring" by Brinsbury College
(Chic Gardens) SILVER
Ch20025293をキーワードにしたガーデン。クッションの形も数も、シェードの形も、トピアリーの数も・・・
<写真:デッキも三角>




"Flow Glow" by The Surprise Gardeners
(Chic Gardens) BRONZE
Ch2002530_1 Ch2002531_3
垂直性、水平性を意識してデザインされたガーデン。
<写真左:素材の組み合わせが面白い>
<写真右:縦のラインのオブジェと花々>




"The Memo Garden" by Jay Milton and Catherine Jago
(Chic Gardens) BRONZE
Ch2002532_1忙しく働く人がリラックスするためのガーデン。庭に水があるのでなく、水の中に浮かぶ島のイメージ。
<写真:メッセージが記されたオブジェ>




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チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <4>

アイディア、ヒントがたっぷり
4タイプのスモール・ガーデン 1

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チェルシー・フラワー・ショウには、ショウ・ガーデン以外に小さめのガーデンのカテゴリが四つあります。

・Courtyard Gardens(コートヤード・ガーデン):
 郊外や田舎に暮らす人々、田園風の庭が好みの人々向けの小さなガーデン
・City Gardens(シティ・ガーデン):
 都会に住む人々が、忙しいライフスタイルの中でリラックスしたり、楽しむことのできる
 現代的なガーデン
・Chic Gardens(シック・ガーデン):
 斬新なアイディアと現代的な材料を生かした、創造性と革新性のあふれる都会的なガーデン
・Sunflower Street Gardens(サンフラワー・ストリート・ガーデン):
 フロント・ガーデン向けのデザイン

これらのなかから、いくつかのガーデンをご紹介しましょう。

"A Child's Eye View" by Students of Aylesbury College
(Courtyard Gardens) GOLD
15_1子どもたちにどんな庭が好きか実際に尋ねてつくられた、8~9歳の子どもたちのためのガーデン。花と野菜の花壇、子どもたちの隠れ家、読書をするスペース、テディベアなどが用意されたこんな庭を、子どものころの自分にプレゼントされたら、幸せいっぱいで一日じゅうずっとここで遊んでしまったでしょう。コートヤード・ガーデンのベスト・ガーデンに選ばれた喜びを、ガーデンを見ている私たち観客に何度も何度も嬉しそうに伝えていたスタッフの姿が印象的でした。
<写真:色とりどりのレタスとテディベア>


"Careless Rapture" by Otley Agricultural College
(Courtyard Gardens) GOLD
16_2一見、何も手入れがされていないように見える庭。よく見るとイギリスの田園に見られる風景が丁寧に再現されていることがわかります。'Home Thoughts From Abroad'という詩をイメージして作られたそうです。イギリス人が「外国で想う我が家」の風景なんですね。
<写真:自然な植え込み>

"High Fliers Haven" by The Millbrook Garden Company
(Courtyard Gardens) SILVER-GILT
17_2 小鳥たちのためのガーデン。種をついばめるアリウムやベリーなどの食べ物が植えられ、銅の平べったいボウルでは水が飲めるようになっており、巣づくりのための小さな小屋も用意されています。
<写真:紫やブルー系の花と白い壁、銅や木製の小物の色合わせもきれい>

"Somerset Revival" by Amanda Patton & Queen Thorne Landscapes
(Courtyard Gardens) SILVER-GILT
18_2 サマーセット地方の雰囲気を感じさせるガーデン。イギリスのカントリーサイドの素晴らしさがアピールされています。
<写真:小屋に通じるドアと植え込み>

"The Living Paintings Garden" by Hannah Genders, The Hall Green & District Amateur Gardeners' Society
(Courtyard Gardens) SILVER-GILT
24_2 ブルー系の花が咲き乱れるなかにつくられた絵を描くスペース。まだ完成されていない絵のかかるイーゼルもオーク材。こんなスタジオで思う存分描ける画家は幸せですね。
<写真:ブルーの花の色の組み合わせ>

"A Time for Reflection" by Alex Trotman
(Courtyard Gardens) SILVER
19_2 シルバーの葉、ブルーの花の植え込みと空の色が、メタルの壁、床に映り、反射した光とともにぼんやりと白っぽい明るさをはなっていたガーデン。
<写真:全体の色にとけこむブルーのベンチ>

"Where Trains run on Thyme"  by The Gold Club
(Courtyard Gardens) SILVER
20_221_2 グリーンとシルバーのタイムでつくられた線路、カモミールの日時計、アイビーのトンネルのあるガーデン。歩くたびによい香りが漂ってきそう。
<写真左:かわいらしい看板 「タイムの上を列車が走ります!」>
<写真右:色違いのタイムでつくられた線路>

"The Chocolate Box" by Heath End Gardening Club
(Courtyard Gardens) BRONZE
22_2 キャドバリー社のチョコレートの箱に、昔、描かれていたコテージをイメージしたガーデン。
<写真:ゆり椅子の上で眠る猫の人形>

"Granny's Garden" by Marshalswick Horticultural Society
(Courtyard Gardens) BRONZE
23_2 おばあちゃんの庭という名前がついていますが、まだまだ孫が小さくて、若くて元気な現役のおばあちゃんの現代的なガーデン。
<写真:ハーブ、つるもの、切花用の花、果樹、野菜などの植え込み>


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26 April 2006

チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <3>

デザイナーの個性が光る
それぞれのショウ・ガーデン
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1_2 19のショウ・ガーデンのなかで、Gold(金)メダルを受賞し、今年のベスト・ガーデンにも選ばれたのは、Roger Platts氏の"Garden Open"です。庭を囲む人々のあちこちから、「これが一番好き」という声がもれ聞こえてきました。古びたレンガの壁をつたうバラ、風化したオーク材のパーゴラとサマーハウス、さびた窓わく、うっそうと植え込まれた植物、フトイやハスが植えられた池などが、今年のトレンドである「Naturalistic(自然)」な風景を作り出していました。

2_2 黄色い表紙でおなじみのオープン・ガーデンのガイドブック、通称「イエロー・ブック」を出版している"The National Gardens Scheme"の75周年を記念してデザインされた、"Garden Open"という名前のこの庭も、「お庭公開中」といったところでしょうか。庭の片隅の小さなテーブルに黄色い表紙のガイドブックを置く、さりげない演出が印象的でした。そして、その小さな演出をみつけて、指をさしながら嬉しそうに話しをするイギリスの人たちがほほえましかったです。

3 Gold(金)メダルを受賞した二つめのガーデンは、アイルランド人の女性デザイナー、Mary Reynolds氏による"Tearmann si - A Celtic Sanctuary"です。アイルランドの草原から運んだ植物や岩が使われた「Naturalistic(自然)」そのものの庭。ケルト民族の神話をもとに作られ、ほかのどの庭とも趣の異なる、荒々しい自然のなかにも静けさを感じさせる神聖な雰囲気をかもし出していました。

アイルランドの野草がびっしりとはえた岩を丸く積み上げたアーチをくぐり、庭の真ん中に置かれた石のイスに目をつぶって耳をすましたら、はるか遠い昔のケルトの国にとんで行けそうな気がするほど。石のイスは、大地・空気・水・火の要素をあらわす中心のスペースを向いて、東西南北の位置に4つ置かれていました。

4_2 三つめのGold(金)メダルを受賞したのは、チェルシー・フラワー・ショウのスポンサーであるメリル・リンチの現代的なガーデンで、Stephen Woodhams氏による"The Sanctuary"。つるりとした石の能面のような彫刻が壁にかけられ、正面奥の水の流れる壁に白い丸が浮かびます。その白い丸はほんのり電気がついていて、月なのか太陽なのか・・・。白くくもった色の葉と花ばかりを組み合わせた植え込みがさらに幻想的な雰囲気。毎日の忙しい生活に疲れた現代人のための平和で静かなスペースです。デザインこそ現代的ですが、水と植物に囲まれた癒しのスペース提供という見方では、やはり自然回帰の傾向なのでしょうか。BBCの番組収録が始まるところだったので、びっくりするほどたくさんの人々がこの庭を取り囲んでいました。

では、そのほかのショウ・ガーデンもいくつかご紹介しましょう。

"The Healing Garden" by HRH Prince of Wales and with Jinny Blom
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チャールズ皇太子が故クイーン・マザーにささげるためにデザインした庭です。薬効があったり、料理に使える植物を中心に125種類選んで植え込まれ、あたりにほんわりとよい香りがただよっていました。クイーン・マザーは、ヒーリング(治す、癒す)のプロセスに植物を使うことに興味を持っていたそうです。デザインのポイントは直線や角ばった部分を持たないこと。自然素材だけを使って編んだ垣根を古代から伝わる伝統的な方法で設置して、大きなかまくらのようなドームが作られていました。緑がしげるその屋根もやさしく丸くカーブ。
チャールズ皇太子にとってのガーデニングは、バッキンガム宮殿の小さなスペースでトマトやレタスなどを育てたのが始まりだったそうです。Silver(銀)メダル

"A TreeHouse Garden" by John Murdoch
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伝統的なバリのロングハウスをもとに、大きな木の上に部屋をつくったガーデン。部屋はたっぷりとしていて、広々としたリビングルームのよう。木の下のガーデンはとてもシンプルで、小さな池と小さな水の流れるスペースの脇にカラー、アヤメ、ホスタなどが植えられていました。竹や柳、流木などいろいろな種類の自然の木を使ってすべてを作り上げているのがポイント。Silver-Gilt(準金)メダル

"The Garden of Transparency" by Charles Funke Associates
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His Highness Shaikh Zayed bin Sultan Al-Nahyanがスポンサーのガーデン。今回が5回めのチェルシーで、これまでの4回はアラブ風のテーマでしたが、今年は初めてヨーロッパ・スタイルのガーデン出展だそうです。トピアリーのアーチが並ぶ下にハスが浮かぶ長方形の池。その奥に大きな白い壺が置かれ、まわりに植えられているのは白いバラ。アーチのすきまから入る光と、緑と白だけのガーデンが水に映って、涼しい透明感がありました。ヨーロッパ・スタイルとはいえ、壺はどこかアラブ風。Silver-Gilt(準金)メダル

"Elevation" by Erik de Maeijer and Jane Hudson
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「円」ばかりで構成されたガーデン。丸いウッドデッキのまわりをブルーの濃淡の植物がぐるりと囲み、眠り心地のよさそうなハンモック、石や木でできた球状のオブジェが配置されて、アウトドア・リビングといった趣。とてもモダンなデザインなのですが、丸い形と、使われている素材がなじみ深い自然なものが多いせいか、やさしくなごめる空間になっていました。ポイントは、大きな透明のオブジェの中で渦まく水。すべてが丸く静かで動きがないなか、激しく渦をまきながら唯一動く物体。ガーデンのタイトル"Elevation"の意味である「高揚させること、高めること、元気づけること」が強く印象づけられたオブジェでした。Silver-Gilt(準金)メダル

"Wherefore Art Thou…?" by Sarah Brodie and Faith Dewhurst
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淡いピンクの家とカラフルな花々の植え込み。シンプルでモダンな中にやさしいロマンチックさがあふれているガーデンでした。デザイナーの2人の女性は、シェイクスピアにインスピレーションを得てこの庭をデザインしたそう。21世紀のロミオとジュリエットが会うためのガーデンで、右のほうにはジュリエットがあらわれるバルコニーもあります。家へ続くタイルにまでチューリップとバラの絵が描かれていて甘さがいっぱいなのですが、なぜか甘すぎないのは、丸く連なるトピアリーの植え込みや、メタルなどの素材づかい、元気でカラフルな植物の色づかいなどによるのでしょうか。私たちの庭づくりのヒントがみつかりそうな身近さを感じる庭でした。Bronze(銅)メダル

"The West Midlands Shizuoka Goodwill Garden" by Julian Dowle and Chris Caligari Garden Design
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静岡県とイギリスのWest Midlands地方共同出展のガーデン。2004年には、静岡県で「しずおか国際園芸博覧会 浜名湖花博」も開催されます(詳しくは、http://www.flora2004.or.jp/)。
チェルシーにつくられたのは、イギリスのカントリーサイド、West Midlands地方の農家の中庭。古びたトラクターがとまった納屋、納屋につづく小道、全体に植えられたワイルドフラワーのやわらかなカラフルさがコテージガーデン風でした。Silver-Gilt(準金)メダル

"World of Koi" by Roy Day, The Wonderful World of Koi
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丸いすべすべした庭石がしきつめられ、盆栽を配置し、カエデ、モミジが植えられた日本風な雰囲気のガーデン。ですが、竹でできたベンチの上に洋風のパーゴラがあったり、庭のつくりはイングリッシュ・ガーデンです。手前に主役となる大きな鯉が泳ぐ池があり、この庭の前に立つ人々の視線はすべてといっていいほど鯉に向けられていました。"big fish!"とびっくりしながら・・・。チェルシーのこのショウに生き物が登場するのは初めてのことだそうです。Bronze(銅)メダル

"Garden of Discovery" by Patrick McCann
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マリー・キュリー・癌センターのためにPatrick McCann氏がチェルシーでデザインするのは今年が4度め。キュリー夫人がラジウムを発見して100周年にあたる今年は、その業績を称えて夫人の家、庭、研究室が書籍などをもとにしながら創られました。
薄いグリーンのかわいらしい家の裏庭に広がる芝生。ブルー主体の花々とブロンズ色や黄色の葉が丸く植えられた花壇をたどりながら奥に進むと、夫人の研究室があります。乳鉢、フラスコ、顕微鏡が置かれたガラス張りの明るい部屋は居心地がよさそう。Silver(銀)メダル

"The Stonemarket Garden" by Geoffrey Whiten
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パテオ・スタイルのモダンなガーデン。面白いのは、できるだけリラックスした時間を過ごせるように、メンテナンスが少なくてすむ植物を植えていることでした。コンテナに植えられた植物が控えめな分、大きなチェス板のセットや、涼むための小さなプールがあったり、アウトドア・リビングとして楽しめるものが工夫されたスペース。
このデザイナーはチェルシーに出展するようになって今年で30年になるそうです。Silver(銀)メダル

※このリポートはMainichi INTERACTIVE(毎日新聞)に2002年に連載したものです。イベント日時などは当時のものですので、ご注意ください。

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チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <2>

イギリスに再現された蓼科の高原
水色のデッキにこめられた思い
(いずれの写真もクリックすると大きめの画像が開きます)

2_1 チェルシー・フラワー・ショウでもっとも注目度が高いのは、Show Gardens(ショウ・ガーデンズ)です。今年は、厳しい審査を通過した19のガーデンが出展しました。
Show Gardensのほかに、小さめの庭のカテゴリでCourtyard Gardens、City Gardens、Chic Gardenss、Sunflower Street Gardensの4つがあり、各カテゴリごとにメダルが授与されます。

4_1 どれもショウのために「つくられた」庭とは信じられないほど、自然に植物たちが植えられています。まるで以前からそこにあったかのように壁づたいにバラが伸び、パーゴラにはつるがからみ、石にコケも生えて・・・。それぞれの庭の物語が目の前に広がります。

そんななかでも特に注目したいのが、「バラクラ イングリッシュ ガーデン」で知られるケイ山田さんのガーデン。初めての出展でSilver-Gilt(準金)メダルを受賞するという快挙は、チェルシー・フラワー・ショウの長い歴史のなかでもきわめて珍しいことだそうです。

8_1"Reflections on a Tateshina Meadow"という名前のその庭は、黄色いヘメロカリス(ニッコウキスゲ)が咲きみだれる緑の草原に、ふるびた風合いの水色のデッキがやさしくなじんだ、日本の風景のなかのイングリッシュ・ガーデン。限られたスペースのなかに、蓼科高原の自然が見事に再現されていました。日本の自然や気候のなかで、年月をかけながら本格的なイングリッシュ・ガーデンをつくり、その魅力を私たちに見せてくださるケイ山田さんだからこそ、つくりだせたものでしょう。

今年のチェルシー・フラワー・ショウは、「Naturalistic(自然)」がトレンドのキーワードでした。ショー・ガーデンでGold(金)メダルを受賞した庭の3つのうち2つも自然な植え込みの庭。ひとつはアイルランドのMeadow(草原)を再現したものでした。日本から出展したケイさんが、ほかの国のデザイナーと同じ傾向の庭をデザインされたのは興味深いことですね。日々の暮らしと結びついている「庭」というのは、それぞれの国の生活観や文化の違いがあらわれるものです。そういったものを超えて共通項が見られたという点も、今回のショウの楽しみだったと思います。ロンドン市内にオーガニックのレストランやカフェ、自然素材のものを扱うショップが増えていることも印象的でした。

1_1ケイさんの庭と日本での活動は、毎晩放映されるBBCのチェルシー・フラワー・ショウ特別番組で、蓼科の「バラクラ イングリッシュ ガーデン」や、CS放送のケイさんの番組なども含めて詳しく紹介されました。日本の庭イコールわびさびの和風庭園、BONSAI(盆栽)というのが一般的なイギリス人のイメージ。日本の人たちが「イングリッシュ・ガーデン」を知っていて、興味があるということ自身が興味深かったようでした。

ケイさんの展示のなかの水色のデッキは「東洋と西洋のかけはしのデッキ」。
ケイさんがチェルシー・フラワー・ショウに出展されたことは、イギリスの人にも日本の人にも、いろんな意味で新しい気づきやきっかけを与えてくれたように思います。
それでも番組の背景には、中国と日本をミックスしたような不思議なオリエンタリズムを感じさせる音楽が流れていて、ミスマッチでおかしかった。

ケイさんのショウでのご活躍は、6月20日から23日に蓼科で開催される「バラクラ・フラワ-ショ-」でも写真展示などでお楽しみいただけます。初日には限定販売のビデオもあるとか。ぜひ出かけてみてくださいね。
詳しくは、http://www.barakura.com/ にて。

次回はそのほかの素敵なショウ・ガーデンをご紹介します。

※このリポートはMainichi INTERACTIVE(毎日新聞)に2002年に連載したものです。イベント日時などは当時のものですので、ご注意ください。

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25 April 2006

チェルシー・フラワー・ショウ 2002 <1>

ほんのり甘いカクテルとともに・・・
みんながまちわびるショウ
(いずれの写真もクリックすると大きめの画像が開きます)

2 イギリスの5月といえばチェルシー・フラワー・ショウ、と言っても過言ではないほど、世界中から17万人の人々が集まるこの催しは、園芸愛好家のみの興味ではおさまりません。テレビ、新聞などは連日、ショウのトピックスを色とりどりに華やかに紹介し、街のなかにも、ショーにちなんで花や園芸に関するディスプレイが登場します。

4 ショウが開催されるのは、ロンドンの高級住宅街Chelsea(チェルシー)にあるRoyal Hospitalの敷地内。地下鉄Sloan Square(スローン・スクエア)駅から歩いて10分のところにあります。駅を降りて会場までの通りに建つ、古い赤いレンガの住宅の窓辺や玄関口に並べられた鉢、寄せ植えの彩りも楽しみのひとつです。

このフラワー・ショウの歴史は長く、1804年に創立されたイギリスの園芸協会(Horticultural Society)が、1820年代に開催したフラワー・ショウが始まりになっています。この協会がのちに1861年に、「Royal」の冠をいただいて王立園芸協会(Royal Horticultural Society)という名称になり、通称RHSと呼ばれています。

 →王立園芸協会のサイト。ショウのチケットもオンラインで購入できます。
   http://www.rhs.org.uk/
  今年のチェルシー・フラワー・ショウの詳細もご覧になれます。
   http://www.rhs.org.uk/chelsea/

6 今年もロイヤル・ファミリーがショウ開催前の20日に訪問され、レジメンタル・タイを細くしめた、物腰も優雅なチャールズ皇太子が、ペール・イエローの洋服のエリザベス女王を案内される様子がテレビで放映されていました。チャールズ皇太子は自らデザインされたガーデンも出展されています。そのほか今年は、女王陛下のGolden Jubilee(即位50周年記念)をテーマにした展示も見られました。

7 5月21日から24日に開催されるショウのうち、21日と22日の2日間はRHS会員などのみが入場できるPrivilege daysで、23日と24日が一般公開日です。出展者は20日の朝までにそれぞれの展示を整え、Gold(金)、Silver-Gilt(準金)、Silver(銀)、Bronze(銅)メダルの各賞が決定します。

9 ショウの開催時間は、朝8時から夜8時まで。最終日は夕方5時30分までで、アナウンスと鐘の音とともに一斉に4時30分から展示品の即売が始まります。
午後のみのチケット、夕方からの割引チケットも用意されているので、会社帰りのスーツ姿の人々が夕刻以降は増えてきます。イギリスの春~初夏の風物詩、「PIMM'S」のカクテルを片手に気持ちよさそうに会場内を歩く様子が見られました。ご存知のとおり、ヨーロッパの夏は夜遅くまで明るいのが特徴です。仕事帰りにほんのり甘いカクテルを飲みながら、一流のガーデンを見て歩けるなんて素晴らしいですね。

今回はチェルシー・フラワー・ショウの概要をお送りしました。次回は、見事Silver-Gilt(準金)メダルを受賞されたケイ山田さんのガーデンを中心にご紹介します。

※このリポートはMainichi INTERACTIVE(毎日新聞)に2002年に連載したものです。イベント日時などは当時のものですので、ご注意ください。

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